​「Cubase」サイドチェーンをかけてキックとベースの低音をスッキリさせたい【T】

「Cubase」でミックス作業を進めているときにキックの迫力がベースにかき消されてしまったり低音域がモヤモヤと濁って聴こえたりして困った経験はありませんか?


特にドラムとベースが激しく主張し合うジャンルでは両者の周波数帯域がぶつかりやすいため単にボリュームを調整するだけでは理想的な抜けの良さを実現するのは難しいかもしれません。

標準のコンプレッサーに搭載されているサイドチェーン機能を正しく設定し特定の入力を合図に音量を制御する手法を取り入れることで低音の交通整理を行いプロのようなタイトなリズムを作り出すためのヒントになるはずです。

サイドチェーンを有効にするための基本設定

サイドチェーンを実行するには、まず音量を下げたい対象であるベーストラックに、サイドチェーン対応のコンプレッサーをインサートする必要があります。

「Cubase」に標準搭載されている「Compressor」や「VSTDynamics」などはこの機能に対応しており、パネル上部にある専用のボタンを有効化することで外部からの信号を受け取れる状態になります。

  • ベーストラックのインサートスロットに「Dynamics」カテゴリーから「Compressor」を読み込みます。

  • コンプレッサーの操作パネル上部にある「サイドチェーンを有効化」ボタン(四角いアイコン)をクリックして点灯させてください。

  • これでベース側のコンプレッサーが、キックの音をトリガー(引き金)として動作する準備が整います。

アドバイスとして、ボタンを点灯させただけではまだ音は変化しません。この操作は「外部からの指示を待機する窓口を開けた」状態に過ぎないため、次に「どの楽器の音を合図にするか」という送信側の設定を行う必要があることを理解しておくと、全体の流れがつかみやすくなるはずです。


キックの信号をコンプレッサーへ送る手順

ベース側の準備ができたら、次はキックの音をベースのコンプレッサーへと送り届ける「送り先」の設定を行います。「Cubase」では各トラックのセンド(Sends)スロットを利用して、特定のコンプレッサーのサイドチェーン入力へ信号をルーティングする仕組みになっています。

  1. キックが鳴っているトラックを選択し、インスペクターまたはミキサーの「センド」セクションを開きます。

  2. センドスロットをクリックし、送り先リストの中から「Side-Chains - [ベースのコンプレッサー名]」を選択してください。

  3. センドを有効(点灯)にし、送る量を「0dB」程度まで上げてキックの信号がベース側に届くようにします。

注意点として、センド量を上げすぎるとベースの音が過剰に圧縮され、不自然な「うねり」が生じることがあります。

まずは適度な音量で送り、ベース側のコンプレッサーでかかり具合を微調整していくのが、パンチ力を維持しながら自然な分離感を得るための定石です。


低域の干渉を抑えてリズムのキレを出す効果

設定が完了したら、実際にベースの音がキックに合わせて沈み込むようにコンプレッサーの値を調整します。

キックが鳴った瞬間にだけベースの居場所が空くようになるため、低域の濁りが解消され、リズム全体がより前へと押し出されるような躍動感が生まれるという大きなメリットが得られます。

  • コンプレッサーの「Threshold(しきい値)」を下げて、キックが鳴るたびにゲインリダクションが発生することを確認します。

  • 「Ratio(比率)」を4:1程度に設定し、キックの余韻に合わせて「Release(解放時間)」を調整してください。

  • ミックス全体のバランスを聴きながら、キックがはっきりと聴こえる最適なポイントを探ります。

アドバイスとして、リリースタイムをBPM(テンポ)に合わせて調整すると、ベースが戻ってくるタイミングがリズムと同期し、独特のグルーヴ感を生み出すことができます。

このテクニックはダンスミュージックだけでなく、ロックやポップスにおいても低域をクリーンに保つための必須スキルとなるため、積極的に活用して音源のクオリティを向上させていきましょう。


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