「Expresii」リアルな水墨画をデジタルで描きたい【T】

「Expresii」の最大の特徴は、他のペイントソフトでは類を見ないほど緻密な「水と墨の動き」にあります。


画面の中で墨がじわじわと和紙に染み込んでいく様子や、筆の勢いによって生まれるカサカサとした掠れは、まさに東洋美術の美しさそのものですよね。

しかし、ただ筆を動かすだけではなく、アプリが持つ物理演算の特性を少し意識するだけで、その仕上がりはさらに本物のアナログ作品に近づけることができます。

デジタルの手軽さを活かしつつ、墨の濃淡や余白の美しさを表現するためのポイントを整理することで、納得の一枚を描き上げるお手伝いができるかもしれません。

紙の質感と水の吸収率を設定する

水墨画の表情は、描く土台となる「紙」の設定によって劇的に変化します。

  • 画面上の設定メニューから、紙のテクスチャや種類を選択するパネルを開く

  • 墨が速く染み込む「生紙」のような設定や、にじみを抑えた設定などを切り替えて試す

  • 水分の広がり具合(ディフュージョン)の数値を調整し、自分の筆致に合うにじみ方を探す

注意点として 紙の設定を途中で大きく変えると、それまでに描いた部分の見え方も変わってしまうことがあります。

描き始める前に、いくつかの設定で試し描きをして、その日の作品に最適な「紙」を決めておくのがコツです。


筆圧と傾きで「側筆」や「直筆」を使い分ける

スタイラスペンの傾き検知機能をフルに活用することで、多彩な線を表現できます。

  1. 筆を垂直に立てて描く「直筆(ちょくひつ)」で、鋭く細い輪郭線や枝を描く

  2. 筆を大きく寝かせて描く「側筆(そくひつ)」を使い、腹の部分で面を塗るように描く

  3. ペンを動かす速さを変えることで、墨が紙に染み込む時間をコントロールする

アイデアとして ゆっくりと筆を動かせば、それだけ多くの水分が紙に伝わり、豊かなにじみが生まれます。

逆に素早く払うように動かせば、水分が伝わる前に筆が離れるため、勢いのある掠れ(渇筆)を表現しやすくなるかもしれません。


重なり(積墨)と乾燥をコントロールする

水墨画の技法である「積墨(せきぼく)」をデジタルで再現する手順です。

  • 一度描いた部分を、画面上の「乾燥」ボタン(ヘアドライヤーのアイコン)で完全に乾かす

  • 乾いた上からさらに墨を重ねることで、にじまずに色の深みだけを増していく

  • あえて乾かさないまま別の色を落とし、画面上で色が自然に混ざり合う「破墨(はぼく)」を楽しむ

注意点として 「Expresii」の水分シミュレーションは、乾燥させない限りずっと計算が続いています。

放置しておくと意図せず色が広がりすぎてしまうこともあるため、ここぞという瞬間に「乾燥」させて状態を固定するのが、デジタル水墨画を成功させるポイントです。


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